54字の物語とは
“54字の物語”は9マス×6行の原稿用紙の中で紡がれるお話のことです。
短時間で読み終えられる手軽さと、コンパクトにまとめるアイディアの面白さが魅力だと私は考えています。
54字の物語のルール
基本的なルールは以下の通りです。
1.文字数は、54字ぴったりに収めること(ただし例外もあり)
https://www.php.co.jp/news/2023/03/54bungaku11.php
2.句読点やカギ括弧にも1マス使うこと。(その代わり、通常の作文では「!」「?」の後は1マス空けますが、54字の物語では空けなくてOK)
ジャンルについて
当ページでは以下の通りにジャンル分けしています。
ジャンルはタイトルの横に記載しておりますので、目次から気になるジャンルのみを読むことが可能です。
- ファンタジー
- SF
- 恋愛
- 風刺
- コメディ
- ジャンル不明
54字の物語/はじまり
第一話 「はじまり」

“子どもの頃、私の頭の中は青々とした世界だった。しかし今はまるで砂漠。豊かな世界に復するため、私は筆を取った。”
子どもの頃の私は空想が大好きで、常に頭の中には華やかな世界が広がっていました。
思い通りになる自分の世界では、オリジナルのウルトラマンや仮面ライダーが活躍し、ドラゴンやダンジョンが存在し、充実したファンタジーの世界観が広がっていました。
あの頃から十数年、現在の頭の中は現実問題がひしめく混沌とした世界となってしまいました。
かつての世界が青々とした大草原であるとすると、現在は草木のない砂漠です。
空想したとしてもどれも夢のない現実に即したものになり、ファンタジーからヒューマンドラマにジャンルが変わりました。
せめて空想の中は生き生きとした世界にしたいと思い、子どもの頃を思い出しながら物語を紡ぐことにしました。
文学部を出たわけでもなく、昔から小説を書いていたわけでもありませんが、それゆえ形式や常識に捉われない作品を作っていこうと思います。
そんな私の、決意と表した記念すべき第一作です。
「はじまり」#54字の物語 pic.twitter.com/11VLJmTU4u
— 不知火 玖翔 (@kyuto_shiranui) April 6, 2023

54字の物語/新着順
第十六話「スマホ」#風刺

“世界は奴らに支配されている。奴らは便利さと引き換えに時間と健康を奪い、虚無を与える。人間が悪魔を作ったのだ。”
第十五話「思い出」#恋愛

“君と長年過ごした、日の光が降り注ぐ部屋。私は色濃くなり、思い出と君から貰ったラブレターの文字は色褪せてゆく。”
第十四話 「透明人間」 #ホラー

“ああ、一面小麦粉だ。絶望とともに天井を仰いだのち視線を床に戻すと、窓から私の背後へ向かって足跡が続いていた。”
第十三話 「福沢諭吉はバンパイア」 #コメディ

“人は、忘れられた時に本当の死を迎える。この理論で言えば、大学を設立するかお札に載れば吸血鬼レベルの寿命では。”
第十二話 「地獄のクイズ」 #コメディ

“複数人の写真と共にクイズが出された。「この中で俺の彼女はどの子でしょーか!ヒントは、一番可愛い子!」困るて…”
第十一話 「愛と哀」 #恋愛

“彼女が欲しいと言った俺を無理だと笑った君。数ヶ月、彼女できたと君に自慢したら泣き出した。何で私じゃないのと。”

第十話 「飛竜と恋人たち」 #ファンタジー,恋愛



“「背中に乗るか小僧」リオレウスみたいな龍がささやいた。背中に跨り飛び上がった瞬間、僕はセットした髪を諦めた。”
“彼が紅色の龍に乗って見送りに来てくれた。近くに降り立った瞬間、私は砂を被った。この涙は砂のせいにしておこう。”
“髪型が乱れた彼氏と砂だらけの彼女。それを見て二人でしばらく笑いあった。ふと横を見ると、あの龍の姿はなかった。”
第九話 「やらぬ後悔よりやる後悔」 #恋愛

“「やらぬ後悔よりやる後悔」この言葉は正しくない。あの時焦って行動しなければ、今でもあの子と一緒に歩けたのに。”
恋愛って、失敗するとどんなに仲良い相手だったとしても距離が一気に遠くなる。
後で後悔したって、もう遅い。
もうほぼ会えないだろう相手に対して行動しなかった後悔は残るので、その場合は行動していいと思う。
ただ、また会える可能性が高い相手に焦ってぶつかると痛い目に。
第八話 「映画でよくあるやつ」 #コメディ

“必死の形相で仲間が叫ぶ。「俺にかまわずに先に行け!」カッコつけながらバンジージャンプの順番譲られても困るわ…”
男子校のノリだなと、書いてて感じました。
第七話 「私は最強」 #ジャンル不明

“モンスターに追いかけられている。だがこれが夢だと分かっている私は最強だ。蝶のように舞い蜂のように刺し倒した。”
追いかけられる夢を見るのは精神的に疲れているサインだと聞いたことがある。夢をコントロールできれば、夢の中で幾分リフレッシュできるかもしれない。
第六話 「人種差別」 #ファンタジー,風刺

“ネットに影響を受けた男がエルフへの差別や中傷話を友人に話した。その友人がエルフと人間のハーフだとは知らずに。”
特定の人達に対する差別をする方々がいますけど、あなたの友人にそれに該当する人がいるかもしれないですよ。
第五話 「紙一重」 #コメディ

“「今朝、住居侵入の容疑で70代男性が逮捕されました。容疑者はサンタクロースと名乗っており…」物騒な世の中だ。”
サンタクロースってプレゼント配ってるから良い人みたいに言われてるけど、一歩間違えれば法律違反してる犯罪者だよね。
第四話 「運命の人はすぐ近くに」 #恋愛,風刺

“独占欲が強い男は自分の思い通りになるパートナーを探していた。果てに彼は理想の人を見つけた。それは自分だった。”
私自身独占欲が強く、悩んでいた時にふと思ったことを綴った一品です。
実際このことに気づいてから気持ちが楽になったことを覚えています。
未だに独占欲問題は解決していませんが、一番一緒にいる時間が長いのは自分、全ての体験を共有するのも自分であることを肝に銘じて、相手に依存したり振り回されたりすることがないようにしていきたいと思います。
似たような境遇にいる方々に届きますように。
第三話 「金庫のようなフランス料理店」 #ファンタジー

“治安が最悪なこの地域には、鉄壁の防御力とセキュリティを持つフランス料理店がある。しかし、店内にトイレがない。”
自分が見た夢を参考にして作った作品です。
フランス料理店ではなくバーを舞台にした短編小説を作成しようと思っています。
第二話 「猫様は薄味がお好き」 #ファンタジー

“「ぺっぺっ、なんだこの激マズ料理!食えたもんじゃない」「お客様、そちらは人間用のペットフードでございます。」”
この作品は視点を少しずらしたものです。
猫と人間の立場が逆転した世界を描きました。
コメントお待ちしております!